雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

(書評)もしも一流作家が異世界転生モノを書いたら「スタープレイヤー」(著者:恒川 光太郎)

 意外な作者の異色作品。

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Ⅰ.あらすじ

路上のくじ引きで一等賞を当てた斉藤夕月。異世界に飛ばされ、10の願いを叶えられる「スタープレイヤー」に選ばれたと聞かされる。その使い道を考えるうちに目の当たりにするのは、自らの暗い欲望、人の抱える業の深さ、祈りの尊さ…。折しもマキオと名乗る別のスタープレイヤーが来訪、国家民族間の思惑や争いに否応なく巻き込まれていくことになり―。RPG的興奮と壮大な神話世界を融合させた未曾有の創世記!(BOOKデータベースより)

 

Ⅱ.恒川光太郎の描く「なろう系小説」

 著者の恒川光太郎といえば、私のブログでも何作かご紹介させていただきました。デビュー作の夜市で鮮烈なデビュー後、スマッシュヒットを重ねている小説家です。

amenoh.hatenadiary.jp

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  そんな一流作家である恒川光太郎が描くのが、まさかの「異世界転生モノ」

 いわゆる「なろう系小説」の代名詞とも呼ばれるジャンルですが、これを一流作家である恒川光太郎が書いたらどうなるのか、というのが本作となります。

 今回は「スタープレイヤー」と、その続編である「ヘブンメイカー」の2作品についてレビューをしていきたいと思います。

 

Ⅲ.オーソドックスなストーリー

 両作にとって言えるのが、とても「オーソドックス」なストーリーであるということです。

 物語を簡単に言えば、「10の願いを叶える力」を持ち地球とは異なる惑星に移送された「スタープレイヤー」が、その力を持って現地住民に対し無双する話です。この展開、まさしく「なろう」小説そのものでしょう。

 違うのは、謎のハーレムを築かなかったり、「俺、やっちゃいました?」系の謎のすっとぼけをしないあたりでしょうか。一般的な日本人がもし上記の条件で転送されたらどうなるか、というのを描いています。

 

Ⅳ.想像力を掻き立てられる

 一般的に言われるような「なろう小説」だと、違和感というか寒気というか、「あぁ作者の自己投影なんだろうな」という感覚を覚えることがありますが、本作はそうではなく、「自分だったらどうしようか」と考えさせられます。

 例えば宮部みゆきの「ブレイブストーリー」のような、大人の読書に耐えられる「なろう小説」と感じました。

スタープレイヤー (角川文庫)

スタープレイヤー (角川文庫)

  • 作者:恒川 光太郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/08/25
  • メディア: Kindle版
 
ヘブンメイカー スタープレイヤー (角川文庫)

ヘブンメイカー スタープレイヤー (角川文庫)

  • 作者:恒川 光太郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: Kindle版