ついに公開された、2019年度最後の大作映画。
Ⅰ.あらすじ
かつてルーク・スカイウォーカーとダース・ベイダーによって葬られたはずの「シスの暗黒卿」パルパティーンが復活した。パルパティーンは密かに大艦隊「ファイナルオーダー」を結成し、全宇宙の支配を目論んでいた。カイロ・レンはその事にいち早く気づき、パルパティーンの潜む惑星エクセゴルへ向かう。そこでパルパティーンから、手を貸すなら大艦隊を貸してもいいと持ちかけられる。
一方でレイはカイロ・レン打倒のために、力を蓄えていたのだがーー
Ⅱ.再び監督はJJエイブラムスへ
2015年の年末に公開された、スターウォーズEP7。
そこからローグワン、EP8、ハンソロと、一年ごとにスターウォーズ作品が公開されるという、ルーカスファン・スターウォーズファンにとっては正に夢の様な4年間でした。
しかしそれも、このEP9が公開された事で一区切り。
そして本作の公開により、ルーカスが元々描いていた9部作による「スターウォーズ」というシリーズも完結という、記念すべき作品ともなります。
幕引きをするのは、EP7で監督を務めたJJエイブラムス。脚本はエイブラムスと、近年のDC系映画脚本を務めるクリス・テリオが務めます。
Ⅲ.良かった点
ここからネタバレありで、良かった点と悪かった点を挙げていきます。
Ⅲ-1.良かった点1:艦隊戦の迫力がすごかった
ラストシーンの艦隊戦がとても良かったです。
スターウォーズの良作といえば艦隊戦の素晴らしさがある作品じゃないでしょうか。EP6でデススターを落としたエンドアの戦いや、ローグワンのラストバトルであるスカリフの戦い等、スターウォーズらしい艦隊戦のある作品は名作と呼ばれるものが多いと感じます。
そして本作EP9の艦隊戦・ラストバトルである、エクセゴルの戦いもとても素晴らしいです。
目立つ様な新兵器こそ出なかったものの、スターデストロイヤーがスクリーン一面を覆い尽くす様子は圧巻ですし、それに立ち向かう反乱軍の健闘も必見です。シリーズの締めくくりにふさわしいテーマと内容だと思います。
Ⅲ-2.良かった点2:名誉回復するルーク
正直EP8で描かれたルークは、多くのスターウォーズファンが望んだルーク・スカイウォーカーではなかったのではないでしょうか。師匠としても微妙ですし、カイロ・レンを作り上げてしまった元凶の一端ですし、結局小さな惑星に引きこもったまま映画(EP8)が終わってしまいますし。
そんなEP8で損な役割を背負ったルークですが、EP9ではしっかりと名誉回復してくれました(霊体ですが)。まさにルークにとってのヨーダの様な、おそらくEP8でファンが期待していたルークスカイウォーカーを、EP9でようやく見ることができるでしょう。
Ⅳ.悪かった点
続いては、悪かった点。
Ⅳ-1.悪かった点:フォースすごすぎ問題
これ、賛否両論なのかもしれませんが、前作から若干暴走しがちだったフォースの能力がすごい事になっています。
1〜6までは超能力とか予知能力とか死者との対話できるとか、スピリチュアルな感じの能力だったのですが、9でもう一段階上にいきます。物体が一瞬で移動したり、粉々に砕け散ったものが一瞬で復活したり、他にも他にも・・・
個人的には、スターウォーズに関しては、物質的なものはSFチックな巨大兵器、精神的なものはフォース、と住み分けができていたのがよくて、物質的なものにフォースが大きく関わっていくと、設定崩壊していく気がするんですよね。
だからデススターはミレニアムファルコンが叩くのが面白いですし、シスの暗黒卿はジェダイが倒すのが面白いでしょ?
あんまりフォースが力つけてくると、ジェダイ一人でデストロイヤー落とす様な、日本アニメ的な感じになっちゃうのでは、と疑問。
Ⅳ-2.悪かった点:ちょっと展開が雑
これはね、正直EP9の問題じゃないと思います。
結局何にしろ元凶はEP8なんですよ。EP8が残した負の遺産を抹消して、3部作のフィナーレを迎えるために色々な部分を切り捨てていますし、必要な描写をするために、ちょっと不自然な展開になっている部分があります。そして、それがちょっと雑に見えるのは仕方がないのではないでしょうか。
もしJJエイブラムスがEP8も担当していたら、きっとこの様な状況にはならなかったのではと思います。この点、とても残念ですね。
Ⅴ.総評
何だか今後も続きそうなスターウォーズコンテンツですが、ひとまずはこれで一旦終了となります。ただ、「シスの暗黒卿」がこれで完全に打倒されたかと言えばそうじゃない気もしますし、ローグワンの様なサブストーリーを作る余地もまだまだあるでしょう。
グッバイSW、フォーエバーSW。
遠い昔、遥か遠い銀河系の向こうの物語は、まだ終わっていなことを願います。