雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

SEALDsは何がしたかったのか、今更ながら調べてみた【その1】

 こないだまでSEALDsが世間をお騒がせしていました。「戦争反対」といって安保改正に反対していた割には、代表の奥田氏等はテレビに出るたびに見当違いの発言や、法案に対する無知っぷりを発揮していましたが、結局彼らは何を言いたかったのでしょうか。

 「あいつらはただの馬鹿だよ、馬鹿馬鹿」というのは簡単ですが、ちょっと彼らの主張に関して調べてみました。

 

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 Ⅰ.SEALDsってどんな団体なの?

 そもそも彼らが定めるSEALDsってどのような団体なのか、SEALDsのHPより抜粋してみました。

 SEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy - s)は、自由で民主的な日本を守るための、学生による緊急アクションです。担い手は10代から20代前半の若い世代です。私たちは思考し、そして行動します。

 私たちは、戦後70年でつくりあげられてきた、この国の自由と民主主義の伝統を尊重します。そして、その基盤である日本国憲法のもつ価値を守りたいと考えています。この国の平和憲法の理念は、いまだ達成されていない未完のプロジェクトです。現在、危機に瀕している日本国憲法を守るために、私たちは立憲主義・生活保障・安全保障の3分野で、明確なヴィジョンを表明します

 日本の政治状況は悪化し続けています。2014年には特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認などが強行され、憲法の理念が空洞化しつつあります。貧困や少子高齢化の問題も深刻で、新たな生活保障の枠組みが求められています。緊張を強める東アジアの安定化も大きな課題です。今年7月には集団的自衛権等の安保法整備がされ、来年の参議院選挙以降自民党は改憲を現実のものとしようとしています。私たちは、この1年がこの国の行方を左右する非常に重要な期間であると認識しています。

 いまこそ、若い世代こそが政治の問題を真剣に考え、現実的なヴィジョンを打ち出さなければなりません。私たちは、日本の自由民主主義の伝統を守るために、従来の政治的枠組みを越えたリベラル勢力の結集を求めます。そして何より、この社会に生きるすべての人が、この問題提起を真剣に受け止め、思考し、行動することを願います。私たち一人ひとりの行動こそが、日本の自由と民主主義を守る盾となるはずです。

  まずは声明書ですが、私はこの内容に関して特に異論はありません。上記で上げた3点は確かに今後の日本を考えるうえで争点になるでしょう。現在の憲法が実態とそぐわないという点においても、恐らくは憲法9条の事を主に指示しているのでしょうが、頷けます。そして、これに対して現実的なヴィジョンを打ち出すと締めくくっています。

 

Ⅱ.立派な主張だけど、明確で現実的なヴィジョンは?

 とりあえずHPを見て思った感想としては「概ね理解できなくもない内容ではあるものの、何処かの野党みたいに現実的なヴィジョンが全く見えない」ということです。まさか野党を結集しよう等と呼びかけるだけあって、野党共通の特徴である「口だけで具体案が無い」ところまで似せなくてもよかっただろうに。

 例えば、「ブラック企業撲滅に関しては罰則金の制定を求める」であるとか、「セクシャルマイノリティの為に、同性婚の合法化のための改憲を求める」であるとか、そういった具体性のある主義主張がHPには全く掲載されていない。

 いやしかし、これは単純にHPの情報量が少ないからだけではないのか。正直上の声明文程度の内容しかHPには掲載されていないので、彼らを理解するには情報量に欠ける。ので、他のメディアやSNSにて情報を集めることにしました。

 

Ⅲ.具体案が無い、本当に

 インターネットの記事はその殆どがSEALDsの批判記事なので、それでは彼らに不公平と考え「SEALDsのスピーチ」を見てみました。

 結論から言えば、薄っぺらい内容で反吐がでます。要約すると以下の通りです。

・辺野古基地移設問題への批判
・東日本大震災において、未だに仮設住宅者がいることへの政府の対応の遅れを批判
・アメリカの軍事活動に対する批判
・安保改正による集団的自衛権行使の容認により、子供が育てられない国になる。
・先人の教えを守り、当たり前のことを当たり前にする社会にしたい。

 まず彼らは辺野古基地移設に関して、どういったスタンスを取っているのでしょうか。移設反対というのは分かりますが、辺野古に移設することが問題なのか、なら県外ならいいのか、そもそも在日米軍が問題なのかよく分かりません。東日本大震災の仮設住宅問題にしたって、果たして何を持って成功とさすのでしょうか。未だ放射能汚染の残る原発周辺域を立ち入り許可にしたらいいのでしょうか、それとも安部政権が避難住民に一戸建てをポーンと買ってあげたら良いのでしょうか。

 アメリカのテロ対策を始めとした軍事活動の批判ですが、では9.11はどうすればよかったのでしょうか。泣き寝入りをすればよかったのでしょうか、対話で解決すべきだったのでしょうか、では対話で解決しなかった際の「解決」とはどのようなものなのでしょうか、それは9.11被害者が納得のいくものになるのでしょうか。テロを行ったアルカイダや、今ならISISはそうしたアメリカの政策を評価して今後テロを起こさなくなるのでしょうか。

 そして日本はアメリカと違うのだから、テロ対策に乗り出す必要はないと彼女は述べています。では何故日本はアメリカとは違うのでしょうか。湾岸戦争から続く中東への直接的な軍事介入を日本が行ってきてはいないからでしょうか。しかし、近年ISISは日本もターゲットにすると宣言しています。それでもテロ対策をする必要は、日本にはないのでしょうか。そもそも、今まで日本は戦争には関わっていないのでしょうか。給油活動等の中間的な支援や、アメリカへの莫大な資金提供は、果たして軍事活動とは無縁といえるのでしょうか。

 彼女の言う真の平和とは何でしょうか。世界中で行われている民族紛争や、他国に飛行機をぶつけるような過激なテロ組織を見てみぬふりをする、それが真に平和な国家であるのでしょうか。そこに触れないから関係ない、我々は戦争に関わないから、世界で一番平和な国なのよ、と子供に説明するのでしょうか。そうした国なら安全に子育てが出来るのでしょうか。

 これまで日本は仮初の平和を70年間享受していきました。我々の経済発展は50年代の朝鮮戦争による戦争特需を切っ掛けに、飛躍的な発展を遂げました。日本はこれまでも戦争に関わっているのです、ただ見ようとはしなかっただけで。

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  そして貴方の母親は、貴方が否定した平和の中であなたを育てたのです、芝田さん。

 

続く

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