雨の日の大人たちは

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【27/100記事】澤村伊智初の短編集「などらきの首」

 この人、短編は向いていないのではないか。

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  先日ついに封切られました、映画「来る」

 澤村伊智の原作「ぼぎわんが、来る」を原作としたホラーサスペンスですが、どうも原作からかなり改変されているみたいですね。正直、見に行こうかどうしようか迷うところです。

 

Ⅰ.カバー改変

 と、映画原作作家デビューされた澤村伊智先生の初の短編集が「などらきの首」です。文庫サイズでの初出版も同じですね。

 いつもの純和風なカバーでなく、ショッキングピンクにフォントだけのデザインは、何となく「来る」の映画監督を務めた中島監督の色(「告白」や「乾き。」)が強いように思うのですが、意味はあるのでしょうか。

 それとも角川サイドの考えでしょうか・・・

 

Ⅱ.内容としては、平凡

 まぁカバーに関してはいいでしょう、どうせ時代によってコロコロ変わるものですし。

 問題は中身、ということですが、今回は6作品を一冊に収めた短編集となっています。このうちタイトルになっている「などらきの首」は本編初収録ですが、他のタイトルは既に発表済みの作品です。

 文庫本サイズで短編、しかも読みやすい澤村作品なのでサクサクと読み進められるのですが、一通り読んで感じたのが消化不良です。

 

「ゴカイノカイ」「学校は死の匂い」「悲鳴」…この2作品は、本当に「洒落怖」ですね。元々のデビュー作自体が「洒落怖」をグレードアップした様な作風でしたが、この二つに関しては「洒落怖」そのままの作品です。洒落怖を小説に書き直したレベルであり、いつもの澤村作風が完全にありません。

 

「ファインダーの向こうに」…上と比べてちゃんと小説ですが、「え? これ澤村作品なの?」という感じの作風。例えていえば、「小池真里子」の短編作品が近いでしょうか。まぁまだ新人〜中堅の作家さんなので、色々探ってるんですかね、作風を。
amenoh.hatenadiary.jp

 

「居酒屋脳髄談義」…面白い作品だと思います。アイディアも面白いのですが、過去作品を読んでる人にはオチが見えます。残念。

「などらきの首」…唯一普通に面白く、いつもの澤村作風を感じられる作品です。田舎に伝わる「などらき」伝承の真意に、若き日の野崎少年が迫ります。田舎独特の風習がきちんと最後のオチの伏線になっており、短編ながらも満足度の高い作品に仕上がっています。

 

Ⅲ.読むなら「などらきの首」だけでOK

 「などらきの首」に関しては面白さを感じますが、他作品に関しては微妙。所謂「比嘉シリーズ」のファンブックというか、彼女らの活躍を見たいのであれば良いのですが、純粋に作品としては微妙ですね。

 澤村先生は短編苦手なのかな、と感じる一冊でした。

などらきの首 (角川ホラー文庫)

などらきの首 (角川ホラー文庫)