雨の日の大人たちは

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【25/100冊】ぼぎわんシリーズ3作目「ししりばの家」

 澤村伊智の「ぼぎわん」シリーズ3作目。

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Ⅰ.ぼぎわんシリーズ第3作目

 角川ホラー大賞<大賞>を受賞した、澤村先生の第4作目。受賞した「ぼぎわんが、来る」でも登場した比嘉琴子が登場することから、「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」から続くシリーズ3作目ということでしょうか。

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 今回は「家」をテーマにした怪談。前作の「恐怖小説 キリカ」はホラーというよりサイコサスペンスだったので、2作目の「ずうのめ人形」以来のホラー作品。しかし家の怪談とは、大御所三津田信三を思い起こします。最後の参考文献にも三津田氏の「どこの家にも怖いものはいる」が載っていましたし、バリバリ意識してるのは間違いないでしょう。

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Ⅱ.描写に磨きがかかる
 さて久しぶりに読む澤村氏のホラー作品ですが、読みやすさはそのままに、情景描写に関して磨きがかかっているように思えます。

 特に序盤から中盤にかけての盛り上がりは上手いですね。特に「砂」の描写がとても良い。本作の重要なアイテムである「砂」の描写を不気味に描き出しています。また、ぼぎわんでもそうでしたが「微妙な夫婦像」を描かしたら、澤村氏は何かしら持っていますね。実体験なのでしょうか・・・。

 

Ⅲ.残念なのは怪異の正体

 ただ残念なのは「怪異の正体」でしょうか。まぁ面白い発想ではあると思うのですが、なんとなく心の中で「強化版アル○ックじゃん・・・」とツッコミを入れたくなる感じ。怪異が「そうなった理由」も漠然としていて、なんだかモヤモヤが残ります。

 とはいえ、久しぶりの比嘉琴子さんの活躍が見られます。時系列は逢坂さんの記述から「ぼぎわん」以前っぽいですね。ぼぎわんよりも文章力は読みやすく、かつ幅が広がっているように感じます。


 ホラー小説界期待の新星澤村氏の、今後の作品に期待の持てる一作です。

 

ししりばの家 (角川書店単行本)

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