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雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

【14/100本】容疑者家族を守る「誰も守ってくれない」

100本 ★★★★☆ 映画

 この作品の佐藤浩市が好きなんですよ。

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 Ⅰ.あらすじ

 殺人犯の妹になった少女と、彼女を保護する刑事の逃避行を通じて日本社会の理不尽さを問う社会派ドラマ。『踊る大捜査線』シリーズの脚本を手掛けた君塚良一が脚本と監督を兼ね、過熱するマスコミ報道と容疑者家族の保護をテーマにした問題作を撮り上げた。兄の逮捕で世間から糾弾される少女に志田未来、彼女を守る刑事に佐藤浩市。手持ちカメラの擬似ドキュメンタリー手法が非情な社会感情を浮き彫りにし、観る者の心に迫る。

 

Ⅱ.容疑者の家族側から描いた異色作

 モントリオール世界映画祭にて最優秀脚本賞を受賞した本作。普段家族としては被害者側の家族がクローズアップされがちなものの、本作では容疑者側の家族がクローズアップされている。世間の目に晒される容疑者の妹を志田未来、それをマスコミから守る刑事を佐藤浩市が演じている。

 題材と佐藤浩市・志田未来の演技が素晴らしい。過去の事件で傷を負う刑事、家族が犯罪を犯した家族を好演している。また、犯罪被害者の家族を柳葉敏郎が演じているほか、マスコミ、そしてそれに群がる民衆など、多角的な側面から描き出している。

 

Ⅲ.果たして過剰演出なのか?

 ネット上での評価で、本作が過剰演出だと批判する声がある。「世間は犯罪者の家族に対してこの様な非難は行わない」「ネット民を過剰に非難するのはフジテレビらしい恣意的な表現である」というのが主である。

 しかし、果たしてこの映画で描かれた「世間」は本当にフィクションなのだろうか。例えば、秋葉原で連続通り魔事件を起こした加藤智大の家族等有名な話ではないだろうか。

gendai.ismedia.jp

 また、同様に連続殺人を犯した宮崎勤の家族もマスコミ・世間から大きなバッシングを受けている。

matome.naver.jp

 

 確かに劇中の演出の様な、加害者の妹をストリーミング再生する様なことはないのかもしれない。しかしながら、加害者家族が世間の目に晒され言われようのない被害を受けているのは事実なのである。

 

Ⅳ.誰も守ってくれない

 表面上は被疑者家族のことをとやかく言う人は少ないかもしれない。自分に深く関わらないのであれば、特に気にしないのかもしれない。しかし、上記の件にあった様な例えば「容疑者家族との結婚」はとても難しいことがわかる。結局のところ、本当の意味で容疑者家族が容疑者の犯した罪から逃れられることはできない。

 そして、この様な事象は誰にでも発生しうる可能性がある。その時、自分がどう考え、どう行動するのか考えさせられる一本だろう。

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