雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

【22/100冊】ウェンディゴをモチーフとした「不死症-アンデッド-」

 久々に読んだ、ひどい小説。

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  年末に実家に帰った際、あまりにも暇だったため買ったのですが、意外と読む機会がなく、読んだのは年明けの余りにも長い病院の待合時間のことでした。このようなどうにもどうして、拘束された時間でなければ、僕はきっとこの小説を読みきることは無かったでしょう。

 

Ⅰ.あらすじ

 山奥の製薬研究所で謎の爆発事故が発生。泉夏樹は一命をとりとめるも全ての記憶を失っていた。研究所の同僚・黒崎ら生き残った仲間と脱出を試みる夏樹だが、その眼前に、理性を失い凶暴化した人々が突如襲いかかってきた!?息呑むアクションと隠された禁断の真実…最後の1頁まで驚きの連続!常識を揺るがす究極のバイオホラー×ミステリー。

 

Ⅱ.これはひどい

 おかしいな、帯には確か結構重版が掛かってて、今話題の一冊です、なんて言われてたはずなんですが、誰がどう読んでも中学生の妄想小説にしか読めない。いや、これはコメディ小説なのだろうか、ホラー小説の皮を被ったコメディなのか。

 ということで、本作の爆笑ポイント6連発。

 

①老人と女性にボコボコにされるゾンビ(ウェンディゴ)
 作中の敵として対峙するのは、理性を無くし食人を行うウェンディゴと呼ばれる元人間です。不老不死実験の過程で生まれた失敗作なのですが、面倒臭いのでゾンビと同意義とします。
 このゾンビ、文中の描写に対して著しく弱い。走るし本能むき出しで襲ってくるわりに、主人公の女性と脇役のジジイにガンガンぶち殺されます。武器はバールのようなもの、らしいのですが、本気で襲ってくる人間を何十人も相手にしてバール一本で打ち勝つなんて、この二人は一体何者なのでしょうか…。

 

②都合よすぎる展開
 このウェンディゴと呼ばれる症状の解決法を思い出した主人公は、そのワクチンのある研究棟へ向かう決断をします。研究棟には間違いなく大量のウェンディゴがいる。意を決して研究棟に足を踏み入れるとーー
 なんと、運良くゾンビは居なかったのだ!
 なんだそりゃ

 

③一気に男女の仲になる主人公とパートナー
 実はゾンビに腕を噛まれており、感染していたパートナー。研究棟から持ち帰ったワクチンを投与すると、効果があったのか理性を取り戻したパートナーの姿に。そして二人は男女の仲になるのである。
 おー、これが吊り橋効果というやつか。ハリウッドも真っ青の中二病展開である。

 

④不用意すぎる隊長
 他のゾンビにもワクチンを投与し、あたりに平穏が戻った。しかしここを出るには、周囲を包囲している自衛隊をなんとかする必要がある。主人公は安全性が確保できたとアピールするも、自衛隊はそれを承諾しない。それでもと頼むと、安全性を確認するために研究棟へ入るという。隊長一人で。
 完全包囲するような危険地帯に、隊長一人で向かうなよ…。せめて連隊組めよ…。

 

⑤裏切られる隊長、そこにはーー
 一度はゾンビウィルスを押さえ込んだように思えたワクチンだったが、副作用で全員急速な老化現象を起こし死亡する。バイバイ、パートナー。残ったのは主人公と隊長二人となり、隊長は主人公解放のために部隊に戻る。
 しかし、隊長が出ようとするとその許可が下りない。強く詰め寄ると、隊長が撃たれてしまう。隊長を撃ったのはまさかのーー総理大臣。なんで一国のトップが危険地帯にまで足を運んで、かつ発砲までするのでしょうか…。意味が分かりません。

 

⑥そして何十年後

 時は流れ、隊長の息子が研究所の警備を担当して居ます。どうやら何十年も警備を行なっているようです。維持費どうなってんだ、もうナパームで焼き払えよ。すると、少女化した主人公が息子の前に現れ「不老不死が完成した」と言います。

 このことを上層部に挙げると、再び現れる総理大臣。実はこの世界の日本では、彼の長期政権がウン10年も続いており、今でも現役の総理大臣なのである!(へ、へぇー)。彼がずっとこの研究施設を残して居たのは、主人公に不老不死の技法を完成させるためだったのだ。

 しかし目の前で自殺してしまう主人公、呆然とする総理大臣。呆然としたいのは読者だよと思う僕、そして物語は幕を閉じるのである。

 

Ⅲ.C級映画かな?

 今日びラノベでもここまで酷いストーリー作らねーぞ、と言いたくなるストーリーライン。こんなに酷いと思ったのは、メガシャークvsグレートタイタンを見て以来である。

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 惜しいなーと思う小説はよくあれど、酷いなーと思う小説は中々お目にかかれないのですが、久々に酷いと思える小説。
 みなさん絶対に信じないようにしましょう、選挙のマニュフェストと、小説の帯の宣伝文句。

 

不死症 (実業之日本社文庫)

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