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雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

【9/100本】今年最高傑作といっても過言ではない「シン・ゴジラ」 (2/2)

100本 ★★★★★ 映画 SF 考察

 では、何が面白かったのだろうか。

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 Ⅲ.では、何が良かったのか

 では続いて、「シン・ゴジラ」の何が良かったのかを振り返っていく。

 

①無能がいない

 非常に膨大な情報量が織り込まれた本作品において、一番良かったのはこの点であることは間違いない。登場人物が多い映画には多少なりとも出現する「無能な司令官」だったり「コミカルなキャラクター」がこの映画には一切登場しない。全員が非常に優れた人材であり、彼らがストーリーをびっくりするくらい早急に進めてくれる。そうしたヤキモキが全くないので、見ていて不快感を感じない。

 

②お涙頂戴を作らない

 ディザスター映画にありがちな、お涙頂戴シーンがない。恋人が亡くなりましたー、とか被害者を抱きかかえてー、とか家族がーとか全く無い。犠牲者の数は無慈悲にも数値のみでしか語られない。しかし、この映画にそのシーンが必要かと言われれば必要ない。あと数分で沈みそうな船の中で永遠と電話をするような、某○猿的なシーンもない。不足なお涙頂戴シーンは喜劇であることを、庵野は分かっているのである。

 

③ゴジラが歴代最強クラスに強い

 一番良かったのが、このゴジラが素晴らしく強い点である。日本の自衛隊戦力では傷一つつかず、米国爆撃機で何とかダメージを与えるものの、レーザー射出により爆撃機は全機壊滅。一瞬で東京が火の海になるのは絶望感しかない。ここで、変にリアリスティックになりゴジラにダメージが通じる設定にしていたら、面白さは半減していただろう。この歴代最強クラスに強いゴジラに対し、日本がどのように対策を打っていくのか、それがキャッチコピーの「ニッポン対ゴジラ」なのであり、それがこの映画の面白さの神髄なのである。

 

④制作委員会方式ではない

 この作品は、以前の記事で批判した制作委員会方式ではないことが、この作品がこの作品たらしめた一番の要素であると思う。

amenoh.hatenadiary.jp

  つまるところ、制作委員会方式というのは「出資元を複数化して、もしコケても損害額を少額に押さえましょうねー」というモノなのだが、それは詰まる所ステークホルダーの複数化に繋がるという事なのである。ステークホルダーは成るべく損が出ないように考えるので、作品に多くの注文を付けてくる。女子の動員を掴みたいから、ジャニーズ大量に入れましょうねー、とか、もっと話は分かりやすくしましょうねー、とか、兎に角話題性の出るシーン(誰が脱いだだの何だの)を入れたがる。

 そうすると、もう誰が作品を作っているんだか分かったものじゃない。そうして出来上がったのは、皆様が最近見ているクソのような邦画の山なのである。

 しかし今回はそのような制作委員会方式を取らず、東宝の単独出資にて作成されたことにより、そのようなクソのような事態を避けられたのである。恐らく東宝もあまり庵野に口出しせず作らせたのではないだろうか。だからこんなトガった作品が出来上がったのだろう。

 

Ⅳ.総評

 今季日本アカデミー賞は、間違いなくゴジラ席巻でしょう。

 2016年後半の映画ラインナップを見る限りでは、シン・ゴジラを超えてくるような作品は洋画・邦画共に無いように思えます。邦画のダメなところを切り取って、庵野の個性を100%活かしたからこそ作られた素晴らしい作品だと思います。

 これからの邦画界に期待が持てる作品。