雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

【18/100冊】セカチュー以来の純愛小説「君の膵臓をたべたい」

 ひっさびさに恋愛小説読んだ。

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  アラサー男子になると出来なくなる事が多くなる。徹夜もキツくなるし、ヒトカラも入りずらくなるし、猫カフェに入るのも辛い。そして、何となく「恋愛小説」が読みづらくなる。

 何だろうね、小汚いアラサーの男が「最近読んだ恋愛小説が面白かったんだ」と言っている絵面を想像してください。もうそれは狂気ではないでしょうか。今日僕の同僚が「先週の休みは、ずっとおジャ魔女ドレミを見て過ごしていたよ」と言っていたのと同じくらいの狂気を感じます。

 でも極々稀に恋愛小説が読みたくなるんです。そして最近非常に惹かれていたタイトルが「君の膵臓をたべたい」。いやー良いネーミングセンスですね、「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」とか「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」とか「月は無慈悲な夜の女王」とかと同じようなセンスを感じる。各評論本で高い評価を受けている本作や如何に。

 

Ⅰ.文章力はセミプロ

 とりあえず読み始めて思うのが「あんまり文章上手くないな」。特に序盤の描写力はちょっと拙いし、また笑い声を「わはは」と書くのはどうかと思う。そういった描写が序盤~中盤はちょっと鼻につく。後半に入ると展開と慣れの影響かあまり気にならなくはなるが、そういった鼻につくのがダメな人は序盤で諦めちゃうかもしれない。

 

Ⅱ.展開は王道

 所謂病弱物というかヒロインが死ぬ系の作品。15年前一大ブームを巻き起こした「世界の中心で、愛を叫ぶ」のような王道的な純愛モノである。

 ヒロインは自分が1年後に膵臓の病で死ぬことを隠しながら生活している。しかし、あることが切っ掛けでそれを知ってしまった主人公が、彼女の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合っていくというストーリーライン。何だか王道過ぎるな、という感じもするのだがたまーに恋愛小説を読みたくなる自分としては、これくらいベタな方が良い

 しかし起承転結の転に当たる部分は、意外な伏線を回収していくのが面白い。しかしながらこの転でなければ、主人公の成長はありえなかっただろうし、それがこの本の評価につながっていると思う。転~結へ結ぶ際の主人公の独白は作者の魂が籠っているような気迫を感じる。

 

Ⅲ.満足満足

 出来はさておいて、「恋愛小説を読みたい」というニーズに100%応えてくれる素晴らしい恋愛小説だと思う。しかしながら死の大病を患っているのに、なーぜこんなにも元気で居られるのか、あの伏線はどーなってるんだとか、そういうことを気にしたら負けな小説ではあります。

 しかしながら転の部分と、それに応じる主人公の成長といった面は上手く描き切っており多感な高校生の時期の心を良く描き出していると感じます。学生からの支持が高いのは頷けるのですが、まぁオッサンが読んでるとは広言できない作品ですわな、実際のトコ。

 

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい