雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

【5/100本】小説より映画がお勧め「残穢」

 久々に骨太のJホラーを見ました。

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 Ⅰ.あらすじ

 誰が、なぜ、事件を引き起こしたのか。
 聞いてしまった奇妙な「音」は、連鎖する不可思議な事件への招待状だった――。
 小説家である「私」(竹内結子)のもとに、女子大生の久保さん(橋本愛)という読者から、1通の手紙が届く。
「今住んでいる部屋で、奇妙な“音"がするんです」
 好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がる。彼らはなぜ、“音"のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどったのか。
 「私」と久保さんは、作家の平岡芳明(佐々木蔵之介)、心霊マニアの青年・三澤徹夫(坂口健太郎)、そして「私」の夫・直人(滝藤賢一)らの協力を得て、ついに数十年の時を経た、壮大なる戦慄の真相に辿り着く。だがそれは、新たなる事件の序章に過ぎなかった―。

 

Ⅱ.久々の骨太ホラー

 日本のホラーブームといえば、1998年公開のリングに始まるブームが印象深いでしょう。リング、呪怨、着信アリ等はシリーズ化され、ハリウッドでリメイクされる等Jホラーというジャンルを確立しました。

 そんなJホラー久々の大作が、小野不由美の原作を映像化した「残穢」です。

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Ⅲ.これまでのJホラーとはちょっと違う

 監督は「白雪姫殺人事件」でメガホンを取った中村義洋。主演を竹内結子、助演橋本愛と実力派の女優を揃えます。

 ストーリーは「家」に纏わる怪異に遭遇した読者が、ホラー作家である主人公にその話を持ち掛けたことから始まります。家の怪異といえば、先日ご紹介した「どこの家にも怖いものはいる」や「呪怨」といった作品があるように、割とメジャーなジャンルですね。

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  この「家」に関する「怪異」を調べていく内に、主人公はその根が余りにも深い場所にあることに気付いていきます。そして、知れば知る程自分の体に変化が起こっていく。果たしてこれはこの「怪異」の呪いなのか。そしてこの「怪異」の真実とは何なのか。ゆっくりと、そして確実に核心に迫っていく様は、迫っていくようで、実は追い詰められているような、妙な緊張感があります。

 この映画を評価したい点といえば、原作の「ドキュメンタリーっぽさ」をしっかりと描いたことでしょう。「淡々と」進む原作の雰囲気は、これまでのホラー映画とはちょっと違う雰囲気を出しています。例えば、「怪異」の正体が最後までほぼ出てこないこと。「呪怨」でいえば、 伽椰子が最後まで登場しないようなものです。

 これは原作の小説を尊重した結果でしょうが、それが上手く表現できていると私は思います。

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Ⅳ.原作よりも映画の方が良い

 映画はほぼ原作通りの内容ですが、最後の最後を改編しています。それが「良い」という人もいれば、「悪い」という人も居るようです。私としては、映画という映像媒体で発信するのであれば最後のシーンは「良い」という意見です。

 それをさておいても、この「残穢」は原作小説よりも映画の方が見ごたえがあります。というのも、この本を手に取ったことがあれば分かるのですが、小説版は余りにも淡々としすぎています。会話文の少ない文章に、登場人物が非常に多いことから、油断していると途中のストーリーや登場人物を忘れてしまいます。一度栞を挟んだら負け、というような小説です。

 映画だと必要なシーンにはきちんと回想が入るため、この出来事がどの出来事につながっているのか非常に分かりやすい。そういった意味で、小説よりも映画の方が理解しやすいといっていいでしょう。

 

Ⅴ.総評

 久々の大作Jホラーでしたが、きっと消化不良な方が多いんじゃないかという作品。これはこれで凄く怖いんですけど、何か小骨が引っかかる。いや、いいんだけどちょっと物足りない、というのが本作の印象。

 でもこのレベルの作品が年に1本でも出れば、Jホラーも再興してくれるんじゃないでしょうか。ホラー好きとしては、この「残穢」の後に続く作品が出てほしいところです。

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残穢[ざんえ]―住んではいけない部屋― [Blu-ray]

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