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雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

【25/100記事】昔トルコでぼったくりバーの被害に遭いそうになった話(3/3)

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(前回)

amenoh.hatenadiary.jp

 

 Ⅲ.いざゆかん、ぼったくりバーへ

 狭いタクシーの中、饒舌に話すUAE人を横目に私の心の中はレッドアラートが鳴り響いていました。UAE、建築、飲み、一人旅。からすみ屋で聞いたぼったくりバーと同じ匂いを感じざるを得ない。ていうか、ほぼ9割同一人物じゃないか。

 そうしているうちに新市街へ入り、ネオン輝く通りでタクシーが止まりました。時間もあってか人通りも多く、普通の飲み屋街が広がっています。

 あれ、なんかぼったくりバーって言われたからもっと奥まった場所にあるかと思ったけど違うのかな? UAE人はタクシー代を払うと(ここは持ってくれた)大通りに面したお店に入っていきます。何だか外見は普通のお店です。

 もしかして杞憂だったのではないか。こんな大通りのお店がぼったくりなんてやっているとは思えない。もしかして、彼は詐欺師ではないのではないだろうか。本当にただの、ドバイから来た、建築関連の仕事をしていて、長期休暇に一人でイスタンブールにやってきた旅行者なのではないだろうか。いや、そうに違いない。

 疑って悪かったよ、そうだな今日は一杯おごらせてくれよ。と思いながら店内に入っていくと――

 

 はい、どう考えてもキャバクラですー。

 

 店内は薄暗い部屋に、テーブルとソファが幾つか。そして、ど―考えても商売っ気のある女性が何人かテーブルに座っています。からすみ屋の男性が言っていた最後のピース「女性のいる店」がピタっとはまりました。

 

 間違いねぇ、こいつは詐欺師だ。そして今まさに僕は、こいつにカモられようとしているのだ。

 

 さて、そうと分かったらこのお店に長く滞在するのは得策ではありません。寧ろ、席に座った時点で負けだ、と思うと席に座ることすら躊躇われます。

男「ヘイ、どうした座れよ」

雨男「…、俺はお前のことを知っているよ」

男「何だって?」

雨男「先週同じく日本人を騙してここに連れてきただろ。俺は知ってるんだ」

男「一体何を言っているんだ?」

雨男「とにかく俺はもう帰る、何も飲まないからな」

男「おい、ちょっと待てよ!」

 男が自分は怪しくないと言いながら引き止めますが、私は「いやお前は詐欺師だ」といって譲りません。すると男が「じゃあタクシー代は払え」と言ってきたので、タクシー代を押し付けて逃げるように出口に向かいました。

 すると何処からともなく黒服を来た屈強なトルコ人が入り口を塞いできます。

黒服「へいジャパニーズ! ここはそんな怪しい店じゃないぞ、ゆっくり飲んでいきなって」

 

 えぇい、怪しくない店は開口一番に「ここは怪しい店じゃないぞ」なんて言わないんだよ!

 

 流石に黒服も何も飲んでない客を引き止めることは出来ないのか、私が「いいから出る」というと渋々道を譲ってくれました。もし私が飲み物に口を付けていたら、きっとケツの毛が無くなるまでは通してくれなかったでしょう。

 そしてお店を出ると、一番最初に目に留まったタクシーに飛び乗ってホテルまで戻ったのでした……

 

(因みに… ここで乗ったタクシーに若干ぼったくられたのはご愛敬だぞ)

 

 

 

 というのが、イスタンブールで実際に遭った怖い話です。きっとカラスミ屋で男性の話を聞いていなければ、怪しいと思いながらもお酒を飲んでケツの毛までむしられていたことでしょう。

 いやー海外ってマジで怖いね。

 そもそも何故男について行ってしまったのか。一重に人恋しかったから、というのがあるでしょう。海外一人旅は私が思う以上に孤独を感じます(それが良かったりもするのですが)。そんな中、フレンドリーに話しかけてくる人にコロっといってしまうのも、今となれば不用心と分かっていても、実際はありえるのです。

 

 まぁ何にせよ、いざという時身を助けるのは「知識」と「経験」です。この体験記がイスタンブールへ旅行する方の目に留まり、一人でも多くの詐欺被害者が減ることを願っています。

 また最後になりましたが、イスタンブールは詐欺を除けば治安も良く観光地にも恵まれた素晴らしい都市です。必ずあなたの人生の中で指折りの経験になること間違いなしですので、長期休暇が取れた際には是非訪れてみてください。

 

 以上、ぼったくりバー体験記でした。