雨の日の大人たちは

「100食」「100本」「100冊」「100記事」をテーマに、ダウナーなアラサーが日記書いています。

【4/100記事】僕らが高校生だった頃の洋楽

  もう10年以上も前になるんだけど、僕は其の頃高校生だった。

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   僕の故郷は中国地方にある日本で一番人口の少ない県の、一番発展してるところだった。高校の数も他県に比べて極端に少なく、甲子園なら6回勝てば全国に行けるんだから、他県との人口格差は相当なものである。

  だから遊ぶ場所なんてほとんど無かったし、行くとしたら高校近くにあるカラオケか、少し離れた場所にあるショッピングモールくらい。テレビで流れてくる東京や、それこそ車で3時間程度でいける大阪だって、当時の僕にとっては海外の出来事と同じ扱いであったのである。東京の学生がコンクリートジャングルの中、狭いグラウンドで体育の授業を受けてる中で、僕は本当のジャングルの如く野山を駆け回るような少年時代を過ごしていたわけだ。
 そんな僕ら田舎民が、恐れ多くも東京都民様と同じく楽しんでいたのが音楽である。無論鳥取という前人未到の僻地に「ライブ」等というものが来ることはなったが、CDショップはそこそこあったし、安く済まそうと思えば近くに格安のレンタルショップがあり気軽に音楽に触れることが出来たのだ(そういや今考えれば、あそこレンタル品じゃなくて一般の商品レンタルしてたよなぁ…)。
  でもって、高二病というのだろうか、僕の周りでは洋楽を聞くやつらがチラホラ現れていた。そして始まるのが、どのバンドが一番か、というような妄想である。当時の僕の学校では、SUM41派閥・リンキンパーク派閥・オフスプリング派閥に分かれ、さながら三国志レベルでの熱い派閥抗争があったのである(因みに中学ではゆず・19派閥による死闘があった)。
 温厚な僕は「ふぇぇ・・・ 僕はオフスプリングが好きだよぉ・・・」と表面上を見繕っていたのだが、実のところ本命は別にいたのだ。
 そう、それがゼブラヘッドである。  

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 1996年に結成されたバンドであるゼブラヘッドは、当時雨の日の翌日のタケノコのように発生したオルタナティブロックの一つである。彼らの音楽を一言で表せばそう、「下品」である。
 初めて聞いたのが、プレイメイトオブザイヤー。
 
 簡単に言えばオ●ネタを熱く語った曲なのだが、果たして高校生がこんな曲を聴くのは問題が無いのだろうか。この頃はまだおとなしかったのだが、ヴォーカルが変わった5THアルバムの「PHOENIX」辺りからオルタナティブバンドっぽさが爆発し始める。日本で言えばオレンジレンジがそれっぽい、というかオレンジレンジを下品にしたのがゼブラヘッドである。
 
 しかしながら今になっても思うのだが、本当にノリだけのバンドであって、歌詞なんて二の次、三の次のバンドだったのである。一度ゼブラヘッドを友人間で話したことがあったのだが、「あのバンドは軽いよ」と一蹴された。うん、間違いない。本当にこのバンドは軽い、そういう意味では突き抜けていると思う。しかしながら当時メンツの塊のような僕は、ゼブラヘッドを聞いていると他人に行ったら、きっと舐められるだろう、という思いからその後二度とこのバンドを外で語ることはなかったのである。
 あれから10年―― 僕もアラサーとなった。高校時代熱く語られた三派閥のロックバンドは今も大御所として御健在である。そして御多分に漏れず、ゼブラヘッドも絶賛活動中である。おかしいなぁ、絶対解散すると思ってたんだけどなぁ。
 そんな僕の青春のゼブラヘッドであるが、2016年2月に単独日本ライブツアーを実施するらしい。正直フェニックス以降のアルバムは全く聞いていないのだが、正直ちょっとライブに行ってみたい。懐かしい青春の洋楽たちである。