雨の日の大人たちは

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huluの新作「ルパン三世 バイバイリバティー危機一髪」を深読みしてみた【その1】

 huluを見たら、ルパン三世のTVシリーズが配信されていました。「バイバイリバティー危機一髪」と「ヘミングウェイペーパーの謎」の二本ですが、ヘミングウェイは最近見たのでバイバイリバティーを視聴しました。

 正直ルパンシリーズの中ではあまり出来のいい作品ではありません。シーンもブツ切りな場面が多いですし、全体的に駆け足です。映画と違いTVスペシャルですので、尺の問題というのがどうしてもあるので致し方ありませんが、同じTVスペシャルでも出来のいい作品は多くあるので言い訳もできないでしょう。

 そんなあまり良い評価ではないバイバイリバティーですが、一つ特徴があります。

 それは、奇妙なエンディングです。

 今回は他のシリーズとは少し違う「バイバイリバティー危機一髪」のストーリーに関して深読みしてみました。

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 Ⅰ.あらすじ

 

 89年放送のテレビスペシャル第1作。キャストを一新した劇場版『風魔一族の陰謀』から2年、オリジナルキャストではテレビシリーズのパート3以来、4年ぶりとなる作品。そのせいか物語は、ルパン三世の引退説が流れている状況から始まる。そして待望の『職場復帰』。    自由の女神像に隠されている世界最高のダイヤモンド・スーパーエッグと、世界中のコンピュータにハッキングしデータ書き換え自由な新種のコンピュータウイルスを巡り、秘密結社スリーメイスン、ミステリアスな美女イザベル、コンピュータ少年マイケルが絡んでくる。舞台もニューヨークからグランドキャニオン、ニューオリンズを経て、再びニューヨークへとめまぐるしく移動。長編スペシャル版ならではのストーリーが展開する。以後のシリーズ化を決定づけた作品。(田中 元) (AMAZONより抜粋)

 ラストシーンの流れはこうです。

①イザベルはスリーメイソンに囚われるが、№3を仲間に取り込み№1を殺す
②イザベルは組織の№1となり、スーパーエッグを発動させ、新種のコンピュータウイルスが使用できる機械を発動するも、用済みになったとして№3に刺される
③ルパンがイザベルを連れ脱出しようとするも、№3に追いつめられる。が、五右衛門の一太刀により№3は瀕死の重傷を負い、持っていたスーパーエッグは砕かれる
③№3は世界を道連れにしようとアメリカとソ連の核ミサイルを発動させるも、コンピュータ少年マイケルにより発射は阻止され、№3と共にスリーメイソンは崩壊する。
④すべてが終わった後、ルパンは自分のデータを警察から消すためにコンピュータウィルスを作ろうとが策する。しかし突如ビルを地震が襲い、パソコンの画面には死んだはずの№1と、ルパンの顔が浮かぶ

 これで終わりです。初見では最後の地震とルパンの顔で終わるラストにあっけにとられました。え? これって演出上何か意味があるの? というのが正直な意見です。

 しかし、もしこれが必要な演出だったとしたらどうだろう。すると、劇中の不可思議な演出が意味を持つような気がしてきます。

 

Ⅱ.不可思議な演出

 バイバイリバティではエンディング以外でも不可思議な演出があるのですが、その内容を纏めてみました。

①組織のラスボスがルパンと対決せず死ぬ
 本作品は途中まで、超能力を駆使する№1がラスボスと見られていたが、前述の通り裏切りにあい死にます。能力的としては超能力者と、前作のマモ―と同じレベルの実力者と思われたのですが、ルパンとは一度も会わずじまいで命を落とします。
 裏切りという演出自体は別に珍しくはないのですが、何故裏切られるだけのキャラクターをここまで強キャラにしたのか理解できません。前作ならマモ―が途中で部下に殺されるようなもんです。これは理解できない。

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②イザベラの不可解な行動
 謎の美女イザベラの行動には不可解な点が多々あります。
 組織から逃げているのかと思えば、戻って組織のトップになろうと画策したり、№3に刺された後はルパンに自分を捨てて逃げろと言ったり、行動が場面場面で変わりすぎて彼女の意図が分かりません。
 またイザベラがルパン一味に加わったのは、スーパーエッグを入手するためですが、この意図も分かりません。敵側であるスリーメイソンは、コンピュータ起動の為に「イザベラ」と「スーパーエッグ」が必要だった訳で、彼女が持ってしまった場合カモがネギ背負うようなものです。

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③コンピュータ起動時の意味深な言葉と映像
 イザベラがコンピュータを起動する際、不可解な言葉と映像が流れます。
 「魔人伝628章」「アマデウスレクイエムイ短調」という言葉と共に、「男性に刺される女性」「ギロチンで首を切られる男」「真っ二つになるプルーン」「大きな爆発」「荒れた大海原」といった映像が流れます。

 これには何か意味があるのでしょうか。

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Ⅲ.仮説
 このような不可解な演出が何を表しているのか、私は一つの仮説を立てました。
仮説:「実は№1は生きていて、イザベラの身体を乗っ取りコンピュータを起動させ、そのシステムを用い世界を書き換えた」

 それでは、続いてこの仮説に至った理由を書いていこうと思います。

 

続きます。

 

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